かっこうのブログ

何かしら飲んでるエンジニア

「エンジニアのための見積もり実践入門」見積もりで心理的安全を増やそう

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アドカレ12日目!

見積もりだと工数の見積もりなどが出がちですが、こちらは工数だけでなくフリーランスに向けてコストの見積りなど非常に多岐な見積もりが含まれています。また、いい点として合著になっており様々な業種の見積もりを知ることができるのが魅力の1つです。

 お気に入り箇所

2点見積もりをする

最低と最大の2つの見積もりをだすことで、最大の場合どのようなタスクや課題が見えやすくなる。2点見積もりにすることで、課題を多角的にみることができる。

そして、早く終わった時はモチベーションの向上につながる。ただ、この方法は使ったことはないのが本音。

なぜ逆に何故1点見積もりがいいのかを考えてみると以下のことが考えられそう。

  • 考えることが減る
  • 気軽にバッファを詰める
  • 1スプリント内でのタスクを詰め込みやすい

どれも「考える」ことを放棄している。特に、全てのタスクが最小で終わった時に何をするか?という動的なタスクの動かしを考えたくないという場合が多い気がする。

安全マージンとは「心理的安全性に対する余裕時間」

よくバッファを取ることの善悪が盛り上がったりしますが、本書では善とされています。

発注者と受注者で分けた時、受注者がバッファを取ることは発注者から見れば「過剰に時間をとって楽をしている」と思われがちですが、心理的にも安全な環境を作ることでミスが減り、時間が余ればテストやリファクタなどをすることで結果的に両者得になるという考え方です。

余った時間でテストやリファクタをするかは、性善説によるところでもあるのですが心理的に安全な環境を作ることでミスを減らすというのは重要だと感じます。ミスだけでなく、要件の抜け漏れの対応などもできるためより質の高い成果は挙げられるでしょう。

「検証済みの手持ちの札をどれだけしていけるか」ということが生命線になります。

見積もりを行う時に、事前に技術をリサーチし使えるようにしておくことを言っています。

私はどちらかというと逆で、必要に応じて学ぶタイプだったので少し考え方が変わるポイントでした。

また、新しい技術を学ぶ時に実務で使えるような明確なアウトプットも出すというのも面白く。ただ調べて終わりではなく、実際に実装して何らかの課題を解決するところまでやることの重要性を改めて感じるところですね。そう言った点からも、新しい技術に対して「この技術は何を解決できるのか」をみていく審美眼も磨かれていきそうです。

設計書の見た目にこだわらない

設計書の見た目やレイアウトは無限にこだわれるのでこだわるなとのこと。

確かにER図やワークフローなど書こうと思えば無限に描くことができますし、設計もどこまでも詳細に書くことができます。この辺りの「どこまでやるのか」は働いてきた会社の色が出るところではあると思います。

個人的にはMarkdownを中心に、必要なら各種図をてきとーに書いて説明しながら質問があったところを追記していく方針をとっています。

説明しながら質問があったら追記というのは、メンバーによって理解度が異なるため「そのメンバーにあった最低限の設計書を作る」というために使っています。

「最低限の設計書だと、後々のドキュメント性が下がらないか?」というところもありますが、この辺は組織文化との兼ね合いで「ドキュメントの維持コストより、コードが設計書となるようにする」という文化だったので上記の手法をとっていました。


他にもアジャイルに見積もり見積の精度を上げる、タスクを小さくして見積もりをしやすくするなど「あるある〜」という話もあるので、見積もりをする機会に目を通すと良い本でした。