かっこうのブログ

何かしら飲んでるエンジニア

「問いのデザイン」数多の角度から問題を見るための本

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アドカレ14日目〜

改めてエンジニアの本というのは問題をどのようにみるかがよく語られているなーと、様々な本の1節を思い出す本でした。

その分、エンジニアは問題を様々な角度から見る力が非常に重要でそのサポータとしていかに振る舞うかという話にもなっています。

前提についての問い

問いについて考える前に、問いの前提を問い直さなければならない。問いが必要な硬直した場面では、少々強引に視点や視座を変える必要がある。そのために、前提を問い直す必要がある。

この辺りの話はエンジニアリング組織論への招待でも近いことがいわれている。

・「愛のパズル」なので、(感情的に固執していて)解けない・「パズルを抱いて」いるので、(客観視できずに)解けない・「解けないパズル」なので、(前提を変えない)と解けない

前提について考え直すために必要なアクションが対話となる。異なる前提の人と対話することで、自分の前提をリフレーミングすることができる。異なる前提の人とはビジネスメンバーやCSメンバーのように知識が違うメンバー、技術的なことならば別プロジェクトのエンジニアメンバーに聞いてみるのもありだろう。

また、仲間も重要になる。前提を考える問いというのは、これまでやってきたを捨てる可能性が常に出てくる。これはアジャイルでは重要とされるものの、強い精神負荷がかかる。また、前提を変えるともなれば捨てる量も多く、デザイン思考のカオスな状態とも言える。

そのため、仲間と共に、変化の序盤にある痛みを乗り越える必要がある。

認識の固定化の病

自身の認識を固定化させようとする動き。現状維持バイアスの一種のような気がする。これがあると課題の再認識が難しくなる。

一方で、当事者からすれば「わかった(と思っている)こと」を実はわかっていなかったとなるので負担も大きいし、ある程度固定化した上で課題を深掘りするフェーズもあるため、認識の固定化が毒か薬かは結果論に近いと感じている。ただ、認識の固定化という存在を意識できるだけでも十分変わるだろう

ファシリテートは、メンバーがより深く核心へ導くのを深めるのが仕事

ファシリテートの役目は単に司会だけでなく多岐にわたる。書籍には以下が書かれている。

普段とは異なる視点から発想する。対話による学びと創造の方法 故に、非日常性・共同・民主性・実験性が重要になる

そのため、話しやすい場作りやアイスブレイク・話しやすい問いの設定がファシリテートの大切な仕事になってくる。また、成功体験の演出も重要で、先に制約条件をつけて議論をした後、制約条件を外させることでアイデアを広げるなどマッチポンプ的だが「自分たちで考えた・閃いた」という体験がさらに進めようという気持ちにつながってくる。

非日常性はこの書籍では空間デザインとして省かれてはいるが、個人的にはとても重要だと思っている。非日常性とは、普段とは違う場所や違う状態でMTGを行うことを指す。

例えばオフラインならば普段は使わないMTGルームを使う、席の形を変えてみるなどだ。お菓子を準備するのもいいとされているが、日本人の性なのかお菓子に手をつけようとしない人も多いのでジュースなどがいいだろう(本来お菓子を使うのは、食べる=口を動かすで会話をしやすくするという意図がある)。

一方で、オンラインとなると環境を変えることができないので少し大変になる。使うツールを変えてみると使い勝手に手こずったりもする。そのため、音楽を流す・(顔出しが文化の会社なら)エフェクトを使うといったところから普段とは異なるフレームワークを使うというのもある。フレームワークに関しては、使うことでメンバーにバイアスをかけることにもつながるので何を目的とするかによって慎重に考える必要はある。

最後に:みんなで読むことの勧め

ファシリテートにあたって必要なスキル(説明力・観察力・即興力など)や場のコントロール方法などが語られている。特にスキルやコントロール方法は人によって違うので強みを活かしていくといい。

ありたがたいことに前職で仲のいい人と読んでいたが「〇〇はこのタイプだよねー」という自分でも無意識にしていた振る舞いで自身のファシリの特性に気づくことができた。

5,6章だけでもファシリテートをするメンバーが集まって読むと面白いかもしれない